認知(にんち)とは、心理学などで、人間などが外界にある対象を知覚した上で、それが何であるかを判断したり解釈したりする過程のことをいいます。言い換えれば、個人のものの捉え方や、解釈の過程を指す言葉です。考え方のクセや傾向と思っていただければ分かりやすいですね。
例えば、仕車でミスをしてしまった時「こんな初歩的なミスをするなんて…・」とひたすら落ち込む人もいれば、「ミスも経験。要は同じミスを繰り返さなくて済むだろう?」と前向きに考えられる人もいますよね。
このように認知は、人によって異なります。
「認知のゆがみ」とは、その認知が極端に誇張され、不合理な方向に偏ってしまっている状態のことです。アメリカの精神科医アーロン・ベック氏によって築かれた概念です。メンタル不調の場合には、人はこの「認知のゆがみ」の状態に陥っている場合が多いと思われます。
「認知のゆがみ」があると、現実を正確に認識することができず、ネガティブな思考や感情が強調されてしまいます。これが精神病理状態(抑うつや不安)を永続化させてしまうのです。
・認知のゆがみ・・・「ユガミン」が現れている状態
認知のゆがみをそれぞれ8つの特徴に分けて「ユガミン」として紹介されている本があります。 これが分かりやすいですね。この書籍に沿って「認知の歪み」のパターンを紹介します。
(出典:『認知療法トレーニング・ブック』竹田伸也著)
【シロクロン】
物事を「白か黒か」で割り切り、完壁を求めさせることが得意なユガミンです。
完璧でなければ納得できないため、自分の行いを振り返って少しでも満足できないと、「これは失敗だ」とか「自分はダメだ」などと判断し、自信を失ってしまいます。
今日は「朝9時に起きる予定が、9:30迄寝てしまったからダメだ」などです。
【フィルタン】
物事の悪い面ばかりが目につき、良い点やうまくいったことなど他のことを見えなくさせてしまうのが得意なユガミンです。悲観的なフィルターを通して自分や世の中を見てしまうと、何事も悲観的に見えてしまうため気分も当然暗くなります。
【ラベラー】
物事や人に「00である」と否定的なラベルを貼り、一度貼ったらはがさないユガミンです。
あらゆるものに否定的なラベルを貼り、そのラベルから浮かぶイメージに振り回されて冷静な判断ができなくなります。例えば、「宗教」=「マインドコントロールされるもの」等でしょうか。
【マグミニ】
自分の短所や欠点を実際より大げさに考えて、反対に自分の長所や成功を実際より小さくとらえることが得意なユガミンです。些細なミスや失敗を大げさに考えすぎて憂鬱や不安な気分になったり、自分の良いところを「出来てあたり前」と考えてポジティブに評価できなくなったりします。
【ベッキー】
自分や他者に対して「〇〇すべき」、「〇〇でなければならない」と考えることが得意なユガミンです。
ルールに縛られて生活が窮屈になったり、自分や他者の失敗が許せず怒りや緊張を感じやすくなったりします。
【ジーブン】
良くない出来事が起こると、自分に関係ないにも関わらず、自分のせいだと考えるのが得意なユガミンです。 何か悪いことが起こると、自分のせいでそうなったのだと自分を責めてしまうため、自分のことが嫌いになってしまいます。
【パンカー】
わずかな出来事を根拠にあらゆる出来事が同じような結果になると一般化しすぎるのが得意なユガミンです。嫌なことが繰り返し起こっているように感じてしまうため、落ち込みやすくなります。
【ジャンパー】
確かな理由もないのに、悲観的な思いつきを信じ込んでしまうことが得意なユガミンです。
物事が確実に悪い結果になると早合点してしまうなど、良くない結果を先読みしてしまい、不安定な気分に苦しみます。「今日も起きる時間が予定より遅かったから、夜眠れないだろう」という感じです。
メンタル不調が出ている際には、このユガミンがひとつ、ふたつ、場合によってはそれ以上同時に表れていることはありませんか?
・対処法:コガミンに気づく
自分の認知・思考がゆがんでいないかを見つめるためには、紙に書くことをオススメします。頭の中だけで考えているとグルグル思考が回るだけでなかなか整理もしづらいものです。気分が良ければ紙に書いてユガミンが出ていないか見つめてみましょう。この作業は、少しパワーが必要ですので、気分が良くないときには悪化することも多々ありますのでやらないようにしましょう。
@まず出来事や事象を書きます。
A @に対して自分が思ったことを書きます。
B Aに対して反対のことを書きます。
C AとBを見つめてみて「事実はどちらか」を考えてみます。ここで大切なのは「事実」とは、例えば自分の推測ではなく、関係する相手に確認したことを言います。
さていかがでしょうか?この手法は認知療法と呼ばれます。少し体調が良いときに自分の認知を見つめなおしてみること。ゆがみを発見できれば、それを少しずつ方向転換していくようにすれば、ゆがみは解消されていくでしょう。
物事には、良い面と悪い面の二面性があるものです。それを広い目で見れるようになれば、ゆがみからの脱却第一歩ですね!
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心家 洋助(Kokoroya Yosuke)